コラム

ケース その2

 Aさんの主張は,普通乗用車が青信号であると主張するならば,衝突後何故逃げる必要があったの

 

か,普通乗用車の運転手は前方の交差点の青信号を確認して走行しているならば見通しの良い広い

 

道路であることからAさんが横断歩道を渡っているところが見えたはずであり,ブレーキを掛ければ十二

 

分に衝突の回避はできたはずである。

 

 目撃者の証言は,横断歩道を渡ろうとした時,対向歩行信号機は赤であったというが何故私が渡る

 

時,赤であったというのか。

 

 私はAさんから事故発生状況調査の依頼を受け,事件の真相を見極めるためAさんが検察庁から入

 

手した事故記録に基づき現場検証を実施した。

 

 私は刑事記録の交通事故概況見取図を検証し,衝突地点から1秒手前の普通乗用車とAさんの自

 

転車の時速を割り出したところ,普通乗用車が交差点に進入する手前30メーターの位置でAさんの自

 

転車を視野に置くことができ,その時点で運転手がブレーキを掛けていればAさんの自転車との衝突

 

回避は可能であったことが判明した。

 

 しかし,赤信号でAさんが交差点の横断歩道を渡ったという目撃者の証言が正しければ不起訴処分

 

は当然であろう。

 

 私は,青信号を主張する普通乗用車の運転手が衝突後,停止することもなく,何故逃走に及んだの

 

か理由を考えた時,わき見運転 赤信号であったこと 飲酒運転であったこと 同乗者の

 

無免許者に運転をさせていたこと ⑤ 警察で事情聴取されることで不都合の事情があったこと等,疑

 

問点を上げてみるとともに目撃者の証言を検証してみた。

 

 目撃者の証言内容では,横断歩道の対面の歩行信号機を赤色で確認し渡り,歩行信号機を渡りき

 

った時後方で「ドーン」という衝撃音を聞いて振り返ったところ自転車と普通乗用車が衝突し,Aさんが

 

倒れ普通乗用車は停止することなく逃走したことを見たという。

 

 疑問点1.目撃者は横断歩道を渡る時対面歩行信号機を赤色で確認しているが,横断歩道を渡った

 

時の歩行信号機の色,衝突音を聞き後方確認した時の歩行信号機の色が赤であったのか青であった

 

のか確認がされていない。

 

 疑問点2.目撃者が横断歩道を渡ろうとした時,対面歩行信号機の赤を確認したというが,歩行信号

 

機の色が青から赤に変わったことを確認したのか,それとも既に歩行信号機の色が赤に変わってから

 

どのくらい経過していたのか,歩行信号機の色の変化の状況が証言されていない。

 

 疑問点3.目撃者はAさんが赤信号で横断歩道を渡っていたという証言をしていない。

 

 以上の疑問点から,目撃者が対面歩行信号機を赤で横断歩道を渡ろうとした事実からAさんが横断

 

歩道を渡ろうとした時の歩行信号機が赤であったと断定する根拠はない。

 

 よって,目撃者が赤信号で横断歩道を渡ろうとしたという証言の事実とAさんが青信号で横断歩道を

 

渡ったという証言の事実には矛盾がある,目撃者の証言は横断歩道を渡ろうとした時歩行信号機が赤

 

色に変化した状況(青から赤に変わったのか,それとも既に赤に変わって時間が経過していたのか)が

 

確認できないままに目撃者の赤という証言がAさんの青という証言を無視し,赤に断定する根拠にされ

 

た結果不起訴となったことは不合理と言わざるを得ない。

 

 Aさんは,私の調査に基づく「事故発生原因の分析説明書及び過失割合の主張」という書面を証拠と

 

して,任意保険会社を相手取り代理人弁護士を立て調停の申し立てをしたところ,Aさんが赤信号で横

 

断歩道を渡ったと断定する目撃者の証言には信憑性がないと裁判所において判断された結果,和解

 

で事件が終結した。

 

 交通事故は身近に起こりうる事件であり,事故発生により過失割合の争いは避けられないものです。

 

 最後に交通事故を起こしてしまったら,慌てず人命救済を優先し,次に警察に通報及び任意保険会

 

社に事故報告をし,警察での現場検証では事実を訴え,事故発生原因が自分のどの部分にあるのか

 

認識することが将来,同様な交通事故を未然に防止することに役立つでしょう。

2月 18th, 2010

ケース その1

 Aさんは家を購入するために住宅ローンを申し込んだところ,金融機関からの借入金が完済している

 

にもかかわらず個人信用情報センターに登録され,取引状況に遅延が見られるとの理由で融資が受

 

けられなかった。

 

 完済していることは金融機関との取引契約が終了しているのであるから,個人情報の登録は抹消さ

 

れるべきであると考えるのは相当である。

 

 早速,弁護士を通じて某信用金庫に取引が終了していることを理由に個人情報の登録抹消を求め

 

た。

 

 某信用金庫の支店長は完済後も制度上の情報登録履歴の抹消はできないと回答した。

 

 しかし,制度上とはどういう意味なのか,金融機関業者間で勝手に取り決めた制度であることが大阪

 

府庁の金融課苦情係によって判明した。

 

 金融業界から借入残高や返済状況等を信用情報機関に登録し融資申込があった場合,他社からの

 

借り入れや返済の状況を利用している機構は利用者について情報を付けて管理しており,その情報管

 

理に基づき不良債権を防止し収益を上げるための情報手段としている。

 

 取引が終了した後,5年間に亘り,取引履歴を残すことは利用者(住宅ローン申込者)が不利益を被

 

るものである。

 

 利用者に十分な収入があり,住宅購入資格者として融資を受けられるにもかかわらず,過去の取引

 

履歴に支払いの遅延があったという理由だけで融資を受けられないことは利用者に不利益を与えてい

 

るのではないか。

 

 完済をしている利用者に対し,過去の履歴状況を理由に融資を断るのではなく,現在の利用者の収

 

入状況を重視し融資決定することが妥当ではないか。

 

 特に住宅購入利用者の融資については,金融機関が過去の取引履歴を引き合いに出し融資を断る

 

ケースが多いため,住む家を持ちたい利用者の悩みが絶えない。

 

 今後,弁護士と共に某信用金庫に対し個人情報センターとの制度上の仕組みについて公表するよう

 

求め,利用者が不利益を被らないよう個人情報登録履歴の抹消を求めて行きたいと考えます。

2月 16th, 2010

Copyright (C) Risk Management Office24 All Rights Reserved.